歌小の研究

研究主題
ひとりの学びをみんなと広げ,「もっと」を追究する子どもの育成

「もっと」とは, これまでつけた力をいかした,学習(意欲・内容など)のさらなる深化


 主題設定の背景

1 学校教育目標から

 本校では,学校教育目標の具現化を図るため,子ども・家庭・地域の願いをもとに,平成16年度から「進んで学び,仲間とともに課題に向かって挑戦する子どもの育成」を学校教育課題として取り組むこととした。このような子どもを育てるために,私たちは学校教育目標を常に意識しながら,子どもたち自身が人とのかかわりを通して「学校での生活が楽しい」「学習することがわかる」「もっと学びたい,追究したい」と感じる教育活動を展開することが大切であると考える。そこで,子ども・家庭・地域が互いに信頼関係を深め,連携と協力のもと,「生き生きとした学校づくり」「魅力ある学校づくり」に努めている。


2 子ども・家庭・地域の実態から
 地域の行事や子ども会活動,少年団活動など,地域の方々が主体となって活動し,地域全体で子どもたちを育てていこうという考えがしっかりとしている。また,保護者も子育てに真剣に取り組んでいる家庭が多く,学校に対してもたいへん協力的で,子どもたちの成長のためにたくさんの協力と助言をいただいている。子どもは,全般的に落ち着いており,とても素直で優しく,決められたこと・指示されたことを忠実に実行しようと努力する姿が見られる。学校の各種活動や授業などでは,興味関心のある課題に対し,意欲的に課題解決を図ろうとしたり,操作的な活動や作業的な学習,体験的な活動を通して,自分の考えをもとうとしたりすることができるようになってきた。反面,集中力が持続せず,課題に対してねばり強く取り組むことができない子どもや,自分の思いや考えを話す・きく・共に考えるという力が弱い子どもがおり,生活の中でのコミュニケーション能力という点でも課題がある。そこで,人とのかかわりをキーワードにしながら,「自ら学ぶ喜び」「仲間と共に学ぶ喜び」ということに視点を当てることによって,「進んで学び,ねばり強く考える子」「共に考え,助け合える子」が育つのではないかと考えた。

3 今日的な教育課題から
 平成20年3月28日に新しい学習指導要領が公示された。教育基本法や学校教育法改正を踏まえ,現行学習指導要領の理念である「生きる力」の実現のために,具体的な手立てを確立する観点からの改訂である。新学習指導要領は,子どもたちの「生きる力」をはぐくむ具体的な手立てとして,@約60年ぶりに改正された教育基本法を踏まえた教育内容の改善を行うこと,A学力の重要な要素である基礎的・基本的な知識・技能の習得,思考力・判断力・表現力等の育成及び学習意欲の向上を図るために,授業時数増を図り,特に言語活動や理数教育を充実すること,B子どもたちの豊かな心と健やかな体をはぐくむために道徳教育や体育を充実すること,といった基本的な考え方に基づいている。改訂の背景となった教育基本法・学校教育法の改正において明確化された学力の重要な3つの要素は,@基礎的・基本的な知識・技能の習得A知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等B学習意欲である。なお,改訂に向けた「審議のまとめ」では,授業時数の増加の理由として,「子どもたちが学習にじっくりと取り組める時間を確保する」「子どもたちがつまづきやすい内容の確実な習得を図るための繰り返し学習や知識・技能を活用する学習を行う時間を充実するため」としている。また,指導方法の重点として,「基礎的・基本的な知識・技能をしっかりと身に付けさせる指導」「学ぶ意欲を高めながら,教えて考えさせる指導」をあげている。これらを受けて,本校でも,これからの時代をたくましく生きる子どもを育てるために,子どもが個々の学びを追究し,仲間とのかかわりの中で学力を補強し合い,質を高めていくことのできる教育活動を展開することが重要であると考える。


4 昨年度までの研究の到達点と今年度の研究の方向性
 
 15年度の研修の総括で,子どもの「考える力」「表現する力」「かかわる力」を育てていくことを確かめ合い,研究主題「他とのかかわりの中で自ら学び,学ぶ喜びを実感できる学習のあり方」を掲げて研究に努めてきた。19年度の研究では, 18年度に引き続き「問題解決力」と「伝え合う力」に焦点を当てた全校的な学校研究の取組を行った。その結果,18年度と比べると,「自分なりに考え工夫し判断する力」「返す・応える力」「いかす力」が育ってきていることを確かめ合った。4年間の研究の取組の中で,子どもたちは,教材のおもしろさや楽しさにふれながら課題を解決し,「わかった・できた」という喜びや,友達と伝え合い,考え,確かめ合うことで,他者に認められる喜びなど,研究主題で掲げてきた「学ぶ喜び」を実感することができたのではないかと考える。
一方現時点での課題として,
     自力解決の場面で,自分のやり方で追究し,考えを深める力
     交流の場面で,相互の考えを伝え合い,深め合う力
     学んだこと,経験したことを,様々な場面(応用・生活・次の学習など)でいかす力
 が求められることを共通理解した。また,学校評価の結果より,保護者からの「進んで学ぶ自主性」「根気強さ」「コミュニケーション力」を伸ばしてほしいという期待が大きいため,このことも併せて今後の学校研究を進めていく必要性があることを確認した。
 これらのことから今年度は,これまでに築き上げた研究の財産と子どもたちの成長を大切にし,それらをさらに深めるという観点で,研究主題を新たに設定した。19年度の研究で課題としてあげられた,「深める(深め合う)」「いかす」の2つの力に焦点を当てて研究主題に迫る実践を進め,学校教育目標が目指す子どもの育成を図っていく。

 

主題設定の背景

学校研究の構造図